大阪の堺市で毎年開かれている矯正展に行きました。2019年は11月9、10日の2日間の開催です。
矯正展とは
法務省のホームページには以下のように書かれていました。これは31回の時の紹介です。32回は見つけられませんでした。
(1)刑務所内見学
(2)面会所見学
(3)大阪刑務所資料展示
(4)各種イベント及び刑務所作業製品等の展示即売
説明が固い!ので私なりに書いておきます。
普段は入れない刑務所の中を見せてくれたり、子ども向けのショーとかやってたり、刑務所で作った物とか売ってたり、食べ物も販売してたり。刑務所の事がよくわかるよ~、というものです。
英語で書かれていたりもします。隠れているけど横に日本語もあります。
庁舎、らしいです。ここは外から見るだけです。
場所
場所はJR堺市駅から徒歩5分。なのですが、駅と駅前が結構開けていて(田舎者にはそう思える)いろいろあるので少し戸惑いました。一応改札を出たら矯正展こちらですという案内はありました。が、そこからは何もないのでちょっと不安になりました。ちなみに堺市駅を降りたら住宅街、と言った感じで便利で住みやすそうな街です。
刑務所はどこかな~と思ったら、なんか狭い入口?ここですか?みたいなところで刑務官(多分)の方がそこに立って案内されてました。そこを入るともう高い塀がすぐそこに!
刑務所見学にはまず、、、
まずはお目当ての刑務所見学ですが、それよりついついにぎやかなテントの店の方へ行きたくなります。そこをぐっとこらえてさっきの入口みたいなところを入ってすぐ、高い塀沿いを進んでいきます。こうして見ると塀が本当に高いですね。
なおにぎやかなテントの方へ行くと案内所があって、そこで所内の詳しいチラシをもらえます。もしくは数日前に刑務所近辺では新聞に折り込みチラシが入りますので見ておくといいです。
10時頃に着いたのですが、結構並んでいました。上記写真の列を見てくださいね~。待っている間に大阪刑務所とは?みたいな紹介の立て看板が壁沿いに数枚あるのでそれを読んで予備知識を入れておきましょう。
思ったよりも列は早く進みました。白いテントの下で代表者の名前、人数などを書いて、それを提出するとレジ袋をくれます。この袋にスマホを入れてぶらぶらさせながら?見学します。なんで鞄にいれていたらダメなんでしょう?刑務所内は撮影禁止です。隠し撮りとかしてないよ!ってのをわかるようにするためかな?
塀の中へ
そんなわけでここからは文字ばかりです。
50人?もっと多いかな~くらいの人数で塀の中の区切られたスペースへ入ります。大きな門を開けてその中へ入り、入ってきた後ろの門を閉めて次の門を開けるという方式です。
サファリパークで肉食獣エリアに入る時こういうやり方ですね。車が入ったら門を閉めて、次の門を開けて、、、。ちょっと違うところへ入るんだなという感じがしてきます。
似たような感じにディズニーランドやユニバーサルスタジオでも一旦小部屋に数人入れておいて、係りの人が
「さあ~みなさんようこそ~!!!」
みたいな説明をするのがあります。が、今回は刑務所なのでにこやかなスタッフが説明するのではなく、刑務官(多分)の方々です。にこにこしていません。そしてテーマパークではないのでなんかピリリとしています。
さてここから作り物ではないリアルな所へ入ります。
作業所?工場?
作業所というのでしょうか。受刑者の‘’働く‘’所に入ります。
入口から入って、大きな部屋の中の真ん中を通り抜ける形で見学します。部屋というか、大きな体育館みたいな感じを想像していただくといいかも、
私達が歩く両側はネットがかけられているので部屋の中をうろうろはできません。通り抜けるだけです。
先頭のほうで説明されていたのかと思いますが、私は後ろのほうだったのであまり聞こえてきませんでした。でもここがそうなんだ、、、と雰囲気はビシバシ伝わってきます。
作業によってはパソコンもあったりして充実の設備?です。
ふと気が付いたのですが、入ってすぐ左にトイレがありました。普通職場とかではトイレは部屋から出たところとか廊下を歩いて行ったところ~とかにありますよね。
ここでは部屋の中にありました。そしてトイレスペースは区切ってあるけど外からシースルーです。個室はドアがあったかはわかりませんでした。男性用のは作業している人が首を動かせば、あ、使用中ですねっていうのが見えます。
ただきょろきょろしていたら刑務官に注意されるだろうから誰も見ないかな、、、いや、誰もトイレ使用中なんか見たくもないかな。
この日のためにきちんと片づけたのか、それともいつもそうなのか、机や椅子がびしっときれいに並んでいました。たとえていうなら家庭訪問の前の片づけて妙な緊張感のある家(うちだけか?)みたいでした。
作業途中の物もびしっと置かれていて、途中ですよ~みたいなことが書かれて置いてありました。この仕事ぶり、整頓された環境、なんか見習わないといけないです。
風呂
お風呂場まで見学できるなんてびっくりでした。とはいえ、こちらも中でうろうろはできません。ちなみに5つあるそうです。そんなにお風呂があるなんてどこの温泉かしらんと思いますが。私が見学したのは第4です。
まず入口に下駄箱らしきものがあります。そして着替えたものとかを入れるであろう棚があります。旅館のお風呂場って感じです。
浴場の中へは、入ってすぐの所にちょっとだけシートが敷いてあってその上をくるりと歩いて全体を見るといった見学の仕方です。
旅館の浴場みたいに趣があるとか、お風呂屋さんみたいに壁に富士山があったりとかはないです。お風呂に入るのに特化したといった感じのシンプルなものです。
入浴時間は15分だそうです。私は必死に超急いで入って15分なんですけど、、、。
その他
気がついたのですが外の建物と建物を移動する外廊下に白い2本線が間を開けて(人が一人通れるくらい?)引かれていました。普通廊下と言えば真ん中に1本線だと思うんだけどなんで?
私の推測ですがここは受刑者が移動するのに歩くところだから、この線の上、もしくは線の外を歩くのではないかなと。
旧奈良監獄に行ったらこの手の白線が廊下にありました。刑務所系?は共通なんでしょうか。記事最後にリンク貼ってますのでよかったらそちらもご覧ください。
テレビで受刑者が外廊下を歩いているのを見るとみんなきちんと整列していますよね。あれはこの線を基準にして歩いているからそろって見えるのではないかな~。
それとも運動会の練習みたいに何回も歩いていると揃ってくるのかな。
そして外廊下の周りの砂利が敷いてあるところが誰がやったのか、どっかのお寺(竜安寺ですかね)の庭みたいにミニミニの石庭になってました。ちょっと笑えました。
もちろんここら辺はゴミひとつ落ちていませんし、雑草なんか生えていません。お花が植えられていたりしてなごみます。
途中に刑務所の食事が展示されていました。朝ごはんのパンはけっこう大きいです。そして昼夜の米飯はこちらも多めな感じです。麦がブレンドされていてヘルシー。
展示のものは作り物ではありませんでした。皆さんこれを今日食べているのかしら、、、。
個室というか独房の見本が置かれていました。テレビがあって布団があって、、、。狭いけど快適に過ごせ、、、ないだろうなあ。部屋の中に便器がしつらえてあるってどんな気分でしょうか。
出るときは入ったのと同じように後ろの門を閉めて前の門を開けてというめんどくさい事をやって出ます。
しかしウロウロしたのに中の人の気配は全然感じられませんでした。1500人くらい?入居?しているというのに。当たり前なんでしょうけれど、、、。
見学したらこんなものがもらえました。メモです。刑務所ブランドですね。どなたが描いたイラストでしょうか。受刑者?ゆるキャラとか作ったら売れそう、、、って作らないだろうなあ、、、作れないだろうなあ、、、。
面会室
面会室は見学コースとは別なので少し離れたところです。見たい人が順番に入って見て行く方式です。秘蔵資料展示ってチラシ書いてあったので何かなと思ってたら受刑者がこっそり作った物が展示されていました。脱獄用みたいなものに交じって花札なんかもありました。手作り感満載ですが隠れて楽しんでいたのでしょうね。その他に刑務官の制服でしょうか。ポーズを決め!たマネキンが着ていました。
面会室は普通テレビで見るのと同じ感じ。ただ仕切りの所の机部分が冷たいステンレスでした。なんか意味があるのでしょうか。
イベント
見学が終わったら外のイベントを回りました。もらったチラシを手にまずは
“ 当所炊事工場で作ったパン ”を買いに行きました。午前と午後の2回販売で各回500個限定です。
並んだ頃にはもうすでにいっぱいで、ここから後は買えないかもしれません~って係の人が言ってました。ダメもとで並ぼうということになり、、、なんとか買えました。100円で二個入っています。
家帰って食べましたが、子どもの頃に食べた給食のパンを思い出す味でした。ちなみにプレーンなものとチョコチップの入ったものです。でもチョコ感あんまりなかったなあ、、、。
お腹もすいてきたころなのでお昼はプリズンカレーを食べました。これはかなりおいしかったです。ごはんは麦ごはん、カレーは中辛?後から辛さがやってくる感じです。子どもには少し辛いかも。
パン、カレー、監獄弁当、くまもとの赤(何?)の4つは人気があるのか、刑務所一押しなのか、チラシでも目立つように表示されていました。
そのほかテント販売、武道場、体育館で木工品や革製品などなどが販売されていました。なんで刑務所ではこんな立派なタンスとかをつくるんでしょう。やっぱり長いこといるからでしょうか、、、。芸術品です。もちろんナチュラルでウッディーでシンプルな感じの物も売っています。
イコカちゃんもいました。これはJR西日本のゆるキャラです。イコカちゃん歩くのが大変そうでした。他にヤクルトのゆるキャラとかにも会いました。
外の会場はいろいろやってました。やっているところは見れませんでしたが、ヤギのショーなんかも。刑務所見学したらチラシをぜひもらってください。催しものの事が全部書かれているので効率よく回れますよ~。
行ってみて
日頃見ることができないところなので貴重な体験でした。外のイベントや販売しているものも革製品なんかは安くて(高いのもあるけど)よかったです。結構皆さん買われていました。
他の刑務所で作られたものとかも売っていました。これってどこの刑務所が一番売り上げがよかったとか気にしたりするんでしょうか?
でもいくら売れたとしても中の人は今日それを見ることができないし、だから自分が作った物が売れたかどうかなんてわからないわけです。いや、ひょっとしたら後で
「君の作ったあの革財布、あれ人気あって結構売れたよ。おかげでわが大阪刑務所は今年もダントツ売り上げ一位だったよ。」
とか教えてくれるんでしょうか。
でもお客さんの反応とかは直にわからないわけです。
「きゃー!この革のバッグ可愛い!」
とか聞けたらどんなにうれしいことか、、、。
ただただ塀の中にいるって、、、。
なんだか複雑な気分になりました。悪いことはせず、入らないようにしたいものです。
それから刑務官の方々、大変だろうなあ、、、、。一日中だし、昼も夜もないですよね、、、。
おもしろかったよ~と簡単に言ってしまっていいのかと思う一日でした。
後日旧奈良監獄に行きました。その時のがこちらです。